今回の技術情報は、実際にお客様から頂いたご質問と解説をお届けしたいと思います。
Q.ご質問内容
PM型ステッピングモーターの無励磁(通電されていない)状態から2-2相励磁をかけた際に、位置ずれがどの程度発生するか。
A.回答
励磁をOFFする前の励磁位置、つまり励磁状態での停止位置に影響され、位置ずれは4つのパターンで発生いたします。
下記1~4の図説で詳しく説明いたします。
1. ステッピングモーターの構造について
弊社製PM型ステッピングモーターの構造について解説します。
下の写真の様に上下ペアの爪状の極(クローポール)を持った二段の固定子とNとSに交互に着磁された回転子によって構成されています。
説明のため固定子と回転子を下図の様に展開して説明します。
下の写真の様に上下ペアの爪状の極(クローポール)を持った二段の固定子とNとSに交互に着磁された回転子によって構成されています。
説明のため固定子と回転子を下図の様に展開して説明します。
2. 無励磁時停止位置
無励磁状態の場合はコイルに電流が流れないため、固定子は爪状の鉄片となり、回転子マグネットが透磁率の高い(鉄の面積が広い)位置に引っ張られて安定します。また、PMモーターにはAコイル用とBコイル用の固定子がありますので、両方の引っ張る力がバランスするところで停止します。
この時の停止位置は2-2相励磁の何れかの安定位置と同じになります。
この時の停止位置は2-2相励磁の何れかの安定位置と同じになります。
3. 励磁状態停止位置
2-2相励磁の停止位置は固定子のコイルの通電方向により異なります。
下図の①⇒②⇒③⇒④の順に励磁シーケンスを切り替える事により回転子は回ります。
下図の①⇒②⇒③⇒④の順に励磁シーケンスを切り替える事により回転子は回ります。
4. 無励磁状態から励磁状態へ変化した際の位置変化
無励磁状態の停止位置は励磁をOFFする前の励磁位置により上図の①~④の何れにもなり得ます。
無励磁状態から励磁へ変化する場合、励磁OFF時と励磁ON時の励磁シーケンスの違いにより動作が異なります。
②位置で励磁をOFFにし、①の励磁シーケンスで励磁ONした場合、1ステップ分逆方向に回転子が動きます。
③位置で励磁をOFFにし、①の励磁シーケンスで励磁ONした場合、回転方向は不定で2ステップ分回転子が動きます。
④位置で励磁をOFFにし、①の励磁シーケンスで励磁ONした場合、1ステップ分正方向に回転子が動きます。
励磁OFF時の励磁シーケンスと励磁ON時の励磁シーケンスが同じ場合、回転子はその場で留まります。
なお、励磁OFF時に外力により回転子が動いた場合、その位置から励磁時安定位置に回転子が動きます。
無励磁状態から励磁へ変化する場合、励磁OFF時と励磁ON時の励磁シーケンスの違いにより動作が異なります。
②位置で励磁をOFFにし、①の励磁シーケンスで励磁ONした場合、1ステップ分逆方向に回転子が動きます。
③位置で励磁をOFFにし、①の励磁シーケンスで励磁ONした場合、回転方向は不定で2ステップ分回転子が動きます。
④位置で励磁をOFFにし、①の励磁シーケンスで励磁ONした場合、1ステップ分正方向に回転子が動きます。
励磁OFF時の励磁シーケンスと励磁ON時の励磁シーケンスが同じ場合、回転子はその場で留まります。
なお、励磁OFF時に外力により回転子が動いた場合、その位置から励磁時安定位置に回転子が動きます。
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