シャフトモーター特集

シャフトモーターとは

シャフトモーターはリニアサーボモーターの一種です。
外見的な違いとして「シャフト型」と「フラット型」があり、さらに磁気回路に磁性の鉄芯（コア）を使っているか、使っていない（コアレス）かによって分けられます。

日本パルスモーターではコアレスタイプのシャフトモーターを採用しています。
コアレスの大きな特長は、シャフトと可動子（コイル）の間に吸着力が働かないのでコギング（細かい脈動）が全く無い点です。

動作原理は、ステンレスパイプに円筒状の磁石を入れたシャフト部とそれを取り囲むようにした円筒形のコイル部で構成され、コイル部に電流を流すことで磁界が発生し、コイル部が直線駆動（高速・等速・低振動）します。

仕様構成として、シャフト部とコイル部とは非接触で、コイル部への荷重はリニアガイドによって受け止められます。
リニアスケールと組み合わせることによって高精度位置決めを実現できます。

駆動方式

シャフトと可動子の組み合わせ、それに適したコントロール系の使用により
単軸駆動のほかマルチ駆動、パラレル駆動、タンデム駆動など、複雑な動きで目的に適ったコントロールが可能です。

単軸駆動	基本駆動システムです。X軸・Y軸に使用すればXYステージになります。（ドライバー1台）
マルチ駆動	1軸に複数の可動子をコントロールすることができ、複雑な動きに対応可能です。（ドライバー2台）
パラレル駆動	大型・重量のある物の駆動に効力を発揮します。（ドライバー1台）
タンデム駆動	可動子を組み合わせることにより、推力を大きくとることが可能です。（ドライバー1台）

シャフトモーターの特長比較

	シャフトモーター	コア付きリニアモーター	ボールねじ
高速動作	◎	◎	△
高精度位置決め	◎	◎	◯
速度安定性	◎	△	△
高速整定（レスポンス）	◎	◯	△
マルチ駆動	◎	◎	☓
パラレル駆動	◎	◯	☓
モーター効率（省エネ）	◎	◯	◯
メンテナンス性	◎	◯	△
低発塵	◎	◎	△
静粛性	◎	◎	△
耐環境性	◎	◯	△

高速・高分解能

最高速度6.5m/secを実現し、タクトタイムの短縮が可能です。
リニアスケールの分解能に依存するが、サブミクロンの位置決めが可能です。

ボールねじと比較してバックラッシュ（精度誤差）が発生しませんので、ナノレベルの位置決めが可能となります。
ボールねじでは、高速と高分解能の両立は困難で、ノンバックラッシュを実現しようとすると、非常に高コストになってしまいます。

コアレスシャフトモーターとしての特長

コギングレス
シャフトと可動子の間に吸着力が働かずコギングがまったくなくスムーズに動作します。

高い速度安定性
±0.064％(指令速度 100mm/s) で、コータマシン、高精度スキャナ、レーザー加工等に適応します。

高応答性能
コアレスの為、低イナーシャ、低振動により早いレスポンス性能と高速整定が可能です。

サーボロック時の振動が少ない
静止時の振動が極めて少なく、安定しています。
ピエゾ素子の代替、プローバ、電子顕微鏡ステージ等に非常に良い性能を発揮します。