モーター制御LSI
Motionnet構築用の1軸モーター制御LSIで、パルスコントロールLSIの最高機能シリーズ「PCL6000シリーズ」相当のスペックを備えております。
複数個使用することにより、Motionnetを経由した2軸間の円弧補間、2軸以上の直線補間制御が可能です。
動作中の速度および目標位置のオーバーライド、三角駆動回避機能、バックラッシュ補正、停止時の振動抑制、ソフトリミット、多様な原点復帰シーケンス、機械系入力、サーボモーターインターフェース、数々の機能を装備。
これらの豊富な機能により複雑なモーションコントロール・システムを容易に構築できます。
LSIの汎用入出力/軸制御のステータス情報は、I/O通信でサイクリックにセンターLSI_G9001Aと通信が行われ、軸制御コマンド・レジスタ情報の読み書きは、G9001Aから必要なときにI/O通信に割り込んでデータ通信によって行われます。
Motionnetのシリアル通信と軸制御を1チップで実現しているので省スペース化に貢献します。
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特長
・Motionnetを経由した、任意の2軸間の円弧補間、任意の2軸以上の直線補間制御が可能
・最高出力周波数:6.66Mpps
・アップ/ダウンカウンター:3個/軸内蔵(28ビット×2個6×+16ビット×1個)
・コンパレーター:3個/軸内蔵
コンパレーターとカウンターを利用することにより、下記の動作が可能
割り込み出力、比較結果の外部出力
動作の即停止、または減速停止
ソフトリミット機能
ステッピングモーターの脱調検出
同期信号出力
・動作中の速度および目標位置オーバーライドが可能
・汎用入出力数:汎用入出力1ポート (1ポート=8ビット) 、1ビット毎に入力/出力の設定が可能
・通信データ長:1〜64ワード/フレーム (1ワード=16ビット)
・通信方式:I/Oポートはサイクリック伝送、データ通信はトランジェント伝送
・出力パルス:共通パルスモード、2パルスモード、90度位相差モード(4逓倍)から選択、出力論理変更も可能
・豊富な動作モード:連続動作、位置決め動作、原点復帰動作、補間動作など20種類の動作モード
・動作中に次動作のデータ (移動量、初速度、動作速度、加速レート、減速レート、速度倍率、スローダウンポイント、動作モード、加速時S字区間、減速時S字区間、補間動作関連) を書き込むためのプリレジスタを内蔵 (1段)
・手動パルサー入力:90度位相差信号(1, 2, 4逓倍)、または2パルス信号(アップパルスとダウンパルス)
・22種類のエラー要因と18種類のイベント要因で割り込み信号を出力可能 (イベント要因はレジスタで選択可能)
・電源は3.3 V単一電源、主な端子は5 V用デバイスとのインターフェースが可能
Motionnetの仕様
基準クロック [MHz] | 40、又は、80 |
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伝送速度 [Mbps] | 2.5、5、10、又は、20 ※1 |
I/O通信時間 [µs] | 15.1 / ローカルLSI(伝送速度20 Mbps時) ※2 |
通信インターフェース | RS-485、及び、パルストランス ※3 |
通信ケーブルの種類 | 専用ケーブル、又は、LANケーブル(カテゴリー5相当以上) |
通信ケーブルの長さ [m] | 100(最長)、0.6(最短) ※4 |
通信ケーブルの総延長 [m/line] | 100 |
接続方式 | マルチドロップ |
ローカルLSI接続数 | 最多64局 |
※1 伝送速度は、「SPD0」端子と「SPD1」端子で選択します。
1つの「Motionnet®」でご使用になる全てのLSIの伝送速度は同じでなければなりません。
※2 伝送速度が20 Mbpsのとき、最多64局のネットワークで、I/O通信周期は1 ms以下(966.4 μs)です。
※3 パルストランスを使用したシステムを推奨します。
※4 「ローカルLSI」を繋ぐ通信ケーブルの長さが0.6 mよりも短い場合、同じ基板上の多段接続回路を検討してください。
G9103C 基本仕様
汎用入出力 | 汎用入出力端子 8端子 端子毎に入出力の設定可 |
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通信データ長 | 1 ~ 64word/frame (1word=16bit) |
データバッファ長 | 64word |
データ通信時間 | 3word通信(1レジスタ書き込み)時 ……19.3μs 63word通信(21レジスタ一括書き込み)時 ……91.3μs |
通信制御方式 | I/O通信 :サイクリック通信制御方式 データ通信 :トランジェント通信制御方式 |
属性情報 | "0000 0000 0010 0011 1000 0001 ggg0 1111"(ggg=グループ番号) |
パッケージ種類 | 80pin QFP |
パッケージサイズ [mm] | 12×12(モールド部) |
重量 [g] | 0.50 |
電源 [V] | 3.0 ~ 3.6V |
保存温度範囲 [℃] | -40 ~ +125 |
使用温度範囲 [℃] | -40 ~ +85 |
適合指令 | RoHS指令 2011/65/EU (EU)2015/863含む |
G9103C 軸制御部仕様
位置決め管理範囲 | -134,217,728 ~ +134,217,727 (28bit) |
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スローダウンポイント設定範囲 | 0 ~ 16,777,215 (24bit) |
速度設定レジスタ数 | FL, FH, FA(補正速度)の3種類です。 |
速度設定ステップ範囲 | 1 ~ 100,000 (17bit) ※1 |
速度倍率範囲 | 0.1 ~ 66.6倍 0.1倍時 : 0.1 ~ 10,000.0pps 1 倍時 : 1 ~ 100,000pps 50 倍時 : 50 ~ 5,000,000pps |
加減速特性 | 直線加減速、S字加減速の2種類で加速と減速を独立設定できます。 |
加速レート設定範囲 | 1 ~ 65,535 (16bit) 例 : 1から100,000ppsまでの加速時間は、 1を設定の場合に約80ms、65,535を設定の場合に約2,621s |
減速レート設定範囲 | 1 ~ 65,535 (16bit) |
スローダウンポイント自動設定 | "減速時間" < "加速時間"×2 の範囲で自動設定できます。 |
FH補正機能(三角駆動回避) | 移動量が少ないために、加速途中に減速を開始する三角駆動になってしまう 位置決め動作時に、動作速度(FH速度)を自動的に低下し三角駆動を回避します。 |
手動操作入力 | 手動パルサー信号を入力できます。 |
カウンタ | COUNTER1 : 指令位置管理用カウンタ (28bit) COUNTER2 : 機械位置管理用カウンタ (28bit) COUNTER3 : 汎用・偏差管理用カウンタ (16bit) |
コンパレータ | 28bit × 3回路 |
※1 100,000を超える値は設定できません。100,000を超える値を設定してもレジスタ値は、100,000になります。
資料ダウンロード
G9103Cへの移行参考資料
生産・販売中止予定機種(G9003、G9103B)からG9103Cへ移行の際は、お手数ですが下記資料にて内容のご確認をお願い申し上げます。
G9103搭載ボード
[MNET-M321-MIAS] Motionnet モーション制御ボード(Panasonic MINAS対応)
[MNET-M331-J3S] Motionnet モーション制御ボード(三菱電機 MR-J3/J4/J5対応)
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