G9103Cの便利な機能
G9103Cには、モーション制御に便利な機能を多く備えています。
当社パルスコントロールLSI「PCLシリーズ」と同等に高度な制御が実現可能です。
制御の入出力
・出力パルスモード:出力方式の選択肢は、正負論理も加味した8種類を備え、様々なドライバに対応します。
・サーボモータ制御信号:インポジション入力・偏差カウンタクリア出力・アラーム信号入力 を備えています。
・ステッピングモータ用 励磁シーケンス:フルステップ・ハーフステップの励磁シーケンス出力も可能です。
カウンタ
内蔵カウンタが3つあり、出力するパルスのカウント、入力するエンコーダやパルサーのカウントができます。
内蔵カウンタのうち1つは偏差カウンタとして使うこともできます。
COUNTER1の入力は指令パルス専用ですが、COUNTER2やCOUNTER3は、RENV3レジスタで上記の対象を選択できます。
COUNTER3は、RENV3レジスタで動作中(BSY=Lレベル)の間だけ動作するように設定できます。
入力に40MHzの1/4096の信号を設定すると、スタートからの時間管理ができます。
残パルスカウンタ(位置決めカウンタ)は、上記のカウンタと別に存在します。
コンパレータ
内蔵コンパレータが3つあり、カウンタ値と比較データ設定レジスタ値を比較できます。
これを応用しソフトウェアリミット・リングカウント・エンコーダでのステッピングモータ脱調検出ができます。
位置オーバーライド
動作中に、目標位置の変更が行えます。
速度オーバーライド
動作中に、動作速度の変更が行えます。
外部信号によるスタート・停止(複数個での同時スタート・同時停止)
「STA」端子を使用して外部信号入力によるスタートが行えます。
また「STP」端子を使用して外部信号入力による、即停止または減速停止が行えます。
「スタート保留」を有効にすると、スタートコマンド書き込み後、STA信号入力することでスタートします。
また「STP入力」を有効にすると、STP信号入力したときに停止します。
コマンドで「STA」端子から、他のG9103Cに対するSTA信号を出力し同時スタートさせることもできます。
さらに、複数のG9103Cに対し、コマンドで同時スタート・同時停止させることもできます。
バックラッシュ補正
動作方向が変わるとき、予め設定した「バックラッシュ補正量」のパルスをスタート直前に自動出力できます。
このときのパルス速度は「RFA」レジスタで、独自に設定できます。
ステッピングモータの振動抑制
動作完了直後に、反転動作と正転動作を1パルスずつ追加し、ステッピングモータ停止時の振動を抑制できます。
補間動作(直線補間・円弧補間)
複数のG9103Cを使用して、任意の2軸以上(最大64軸)の直線補間や、任意の2軸の円弧補間ができます。
補間動作を行うには「動作モード」で、補間動作の種類と自機の出力軸を設定します。
その上で各軸の動作データを設定し、目的に合うスタートコマンドを与えます。
<直線補間精度>
直線補間は、下図に示すように、現在座標から終点座標に向かって直線を描きます。
下図は終点座標10, 4までの直線を描かせた例です。
直線補間時の指定直線に対する位置精度は、全補間範囲内で±0.5LSBになります。
LSBは、RMVレジスタ値の最小移動単位で、下図のマス目の間隔です。機械系の分解能に相当します。
<円弧補間精度>
円弧補間は下図に示すように、現在座標から終点座標に向かってCWまたはCCWで円弧を描きます。
下図は半径11の真円を描かせた例です。
円弧補間時の指定円弧曲線に対する位置精度は、全補間範囲内で±0.5LSBになります。
LSBは、RMVレジスタ値の最小移動単位で、下図のマス目の間隔です。機械系の分解能に相当します。
複数のG9103Cによる直線補間(2~64軸)
2つのG9103Cによる円弧補間を行えます。
モータ制御用クロック同期化
「クロックマスターLSI」をデバイス番号で設定すると、そのG9103Cを基準にクロックが同期され、
基準クロック周波数(に用いる水晶発振器)の精度誤差に伴う出力パルス周波数精度の誤差が補正されます。
この機能により、複数のG9103Cを使用した動作もクロック精度誤差の影響を抑えた状態で行うことができます。
パルサー入力モード
パルサー信号入力に同期して動作する「動作モード」です。「パルサー」は手動パルス発生器のことを指します。
入力方式は4種類(90度位相差 1・2・4逓倍および2パルス信号)から選べます。
カウント方向逆転や、入力フィルタ挿入も可能です。パルサー入力後の1~32逓倍とn/2048分周も可能です。