G9103C概要
モーション制御(パルスコントロール)機能を持つローカルデバイスです。1個での制御軸数は1軸です。
軸制御については、
・位置決め設定範囲がデータ長28ビット(10進数での値:約±1億3421万)
・速度設定範囲がデータ長17ビット(10進数での値:1~10万)
・速度倍率設定範囲が0.1~66.6倍(最高速度:1倍時10万pps、50倍時500万pps)
といった性能を持っているので、サーボモーターも充分に制御できます。
カウンタとコンパレータを3回路ずつ搭載しており、エンコーダカウント情報の活用も、もちろん可能です。
機械系入力(エンドリミット、スローダウン、原点、Z相)の端子を備え、終端や原点の位置検出も容易です。
G9103Cでのモーション制御方法
制御方法は、各パラメータに対応するレジスタへ値を書き込み、コマンドを与えるだけで、シンプルです。
レジスタに対するデータ読み書き、およびコマンド操作は、「データ通信」により行います。
G9103CのFIFOは受信・送信とも128バイトあり、この容量に納まる制御内容は、まとめて通信できます。
例えば、「動作データを一通り書き込み、スタートコマンドを実行」を1回の「データ通信」で可能です。
基本的なレジスタやコマンドを以下に紹介します。(※詳しい機能や仕様は取扱説明書をご参照ください。)
主なレジスタ
PRMV | 位置決め量 | 位置決め動作の目標位置を設定します。 |
---|---|---|
PRFL | FL速度 | 初速(兼 停止速度)を設定する速度レジスタです。 |
PRFH | FH速度 | 動作速度を設定する速度レジスタです。 |
PRMG | 速度倍率 | 速度倍率を設定します。速度レジスタ値(FLやFH)と速度倍率の積が動作速度です。 |
PRUR | 加速レート | 加速時間(FL→FH)を設定します。 |
PRDR | 減速レート | 減速時間(FH→FL)を設定します。 |
PRMD | 動作モード | 動作モードを設定します。(連続動作・位置決め動作・原点復帰動作・補間動作 などから選択) |
RENV | 環境設定 | 入出力仕様・原点復帰方法・カウンタ・コンパレータ・バックラッシュ補正 などの設定。 |
主なコマンド
動作スタート | パルス出力をスタートさせます。定速動作・加減速動作などを選択できます。 |
---|---|
動作停止 | パルス出力をストップさせます。即停止・減速停止などを選択できます。 |
各レジスタの書き込み | 各レジスタへデータ書き込みを行うためのコマンドです。 |
各レジスタの読み出し | 各レジスタのデータを読み出し、確認するためのコマンドです。 |
各カウンタのクリア | 各カウンタを個別にクリアし、値をゼロにできます。 |
パルスコントロールLSI(PCL6000シリーズ)1軸分の機能を搭載
G9103Cは、パルスコントロールLSIの最高機能シリーズ「PCL6000シリーズ」の機能を備えており、
複雑なモーション制御(パルスコントロール)であっても、便利にお使いいただけます。
1個のG9103Cで制御できる軸数は1軸ですが、複数のG9103Cを連携させて、
同時スタート・同時停止を行わせたり、直線補間・円弧補間の動作を行わせたりすることが可能です。
さらに、補間動作のために各LSIのクロック誤差を補正する「モータ制御用クロック同期化」機能も搭載しています。
Tips プリレジスタ
G9103Cのレジスタ(主に動作データを設定するもの)では、プリレジスタを持ち2段構成のものがあります。
例えば、PRMVはRMVのプリレジスタで、動作中でもPRMVに次動作の目標位置を設定できます。
PRMVに新たな値が設定されていると動作完了時にRMVに値がコピーされ、次のスタート時に適用されます。