ここに書かれている機能を使用する場合、いくつかの注意が必要になります。
取扱説明書にも書かれていますが改めてお知らせします。
1.ジョイスティックなどによる制御を行う時の注意点
FMAX-4X-2SDは4軸の制御が可能で、4軸のうち2軸はサーボドライバーが内蔵されています。その2軸はジョイスティックなどによるアナログ電圧値によって制御を行う事が可能です。
なお、説明上4軸を以下のように記載しています。
第1軸 :X軸, 第2軸 : Y軸, 第3軸 : Z軸, 第4軸 :U軸
制御を行うための指令電圧はコネクター(CN3)のAIN1とAIN2から入力します。AIN1から入力される電圧値でX軸を、AIN2から入力される電圧値でY軸を制御します。
ジョイスティックなどで制御するときの注意点として次に記します。
1-1.軸移動させるための設定値(パラメーター)を正しく設定する
設定するパラメーターには以下のような物が用意されていますのでそれぞれ正しく設定する必要があります。
① JSPD ジョイスティック動作の最高動作速度(単位:pps)
② JDEL 変化速度(単位:pps)
③ JMAX 最大入力電圧(単位:mV)
④ JMIN 最小入力電圧(単位:mV)
⑤ JTOL 無効範囲電圧(単位:mV)
⑥ JLIM ソフトリミット(プラス側、マイナス側個別設定)(単位:pulse)
パラメーターの中で注意が必要な物として、JTOLがあります。このJTOLに小さい値を設定すると、ジョイスティック動作が有効状態の時、入力電圧がノイズなどの影響によりJTOLの設定範囲から外れてしまうと移動を開始してしまいます。JTOLの範囲は実機の電圧値を確認しながら範囲を決める必要があります。
また、変化速度のJDELは、小さい値を設定するとJPSDの設定速度に達するまで時間がかかり、大きい値を設定するとすぐにJSPDの動作に達してしまいます。これらの値も実機で確認しながら設定するようにしてください。
設定例.
① JSPD 20000
② JDEL 1000
③ JMAX 3200
④ JMIN 200
⑤ JTOL 100
上記設定例の通りに設定した場合、無効範囲は1400mV~1600mVとなります。
入力電圧がこの範囲にあるとき、軸は停止しています。
1-2.指令電圧が入力できない状態での有効への切り替え
指令電圧を入力するためのコネクターやジョイスティックが接続されていない状態でジョイスティック動作を有効に切り替えると移動を開始してしまいます。これは、コネクターが外れた状態での電圧値はJTOLの範囲から外れているためです。
ジョイスティック制御を使用する場合は、コネクターが接続され電圧値が正しく変化する事を確認してから有効に切り替えるようにしてください。
FMAX-4X-2SDの内部では対応できませんが、コネクターが抜けた事を知らせる工夫も有効な手段です。
1-3.EMG信号などによる緊急停止時
ジョイスティックで移動させていた時にEMG信号などで緊急停止させた場合、ジョイスティック動作は無効状態になります。
PC制御でジョイスティック動作の有効/無効を切り替えるソフトを作成している場合、ソフトの方で画面表示を切り替える必要があります。 EMG信号で停止させたときに無効に切り替えを行わないと、コントローラーはジョイスティック動作が無効となっているが、PC側の画面では有効となり、コントローラーと画面が一致しない状態が発生します。
2.スタンドアロン制御とPCからのリモート制御を行う時の注意点
FMAX-4X-2SDはPCとUSB接続することによるリモート制御とコントローラー単体で制御可能なスタンドアロン制御の2通りの制御が可能です。
PCだけのリモート制御、コントローラー単体でのスタンドアロン制御、それぞれ個別だけでも制御することは可能ですが、PCからのリモート制御とスタンドアロン制御の両方を使用した制御も可能です。この時、PCからはスタンドアロンプログラムを起動させたり停止させたりすることができます。
スタンドアロンプログラムとPC制御プログラムを同時に起動させて軸移動をさせると想定外の動作を行う場合があります。軸移動に関する制御を両方のプログラムで制御する場合は注意が必要です。
両方のプログラムを起動させて制御する場合は、軸の制御はPC側のプログラムで、汎用信号などの制御をスタンドアロンプログラムで制御するなど、軸制御に関するコマンドが重複しないようにしてください。
両方のプログラムで軸制御を行う場合は、停止条件・起動条件をよく理解した上で使用するか、スタンドアロンプログラムが起動中は、PC側の軸制御ができないようにする工夫を行った上でご使用ください。