1. FMCC32について
FMCC32は、最大256ステップのプログラムを自動実行できるドライバー内蔵の1軸コントローラーです。32種類の動作パターンを使用した最大256ステップの実行順序プログラムを自動実行することができます。
ドライバーは、2相バイポーラ型のステッピングモーターを最大1/32のマイクロステップ駆動ができ、停止中、励磁電流を低減するオートカレントダウン機能が付いています。
また、ドライバーには動作開始時トルクアップ機能があります。モーターの動作開始時に最大1秒間、モーターの励磁電流を最大1.5倍まで増幅することができますので、動作開始時にトルク増加させることができます。
動作パターン、実行順序プログラムの作成は、専用の制御ソフトウェア(Windows)が用意されています。
2. 動作開始時トルクアップ機能について
FMCC32には、動作開始時に励磁電流を増幅することができる“動作開始時トルクアップ機能”が用意されています。自動で励磁電流を増幅しますので、モーター動作開始時に高トルク状態を容易に作り出すことができます。
動作開始からのトルクアップ時間は、250ms、500ms、750ms、1sから選択できます。また、励磁電流増幅倍率は、設定電流の1.0倍(トルクアップなし)、1.15倍、1.35倍、1.5倍から選択できます。設定は、ディップスイッチで行います。
用途例
- チューブポンプ、シリンジポンプ、攪拌装置などの起動時にトルクが必要な機器
- 1軸をシンプル・コンパクトに駆動させたい場合
チューブポンプは、回転開始時に大きい負荷が掛かり、回転中は負荷が少なくなります。この機能により、モーターを効率よく使用できるようになり、小型、軽量化を可能にしました。
また、シリンジポンプでは、液体の吸引、吐出開始時に負荷が大きくなるため、有効な機能です。さらに、液体の攪拌動作も、回転開始時にトルクを必要としますので、最適です。
3. 動画
上記動画をご覧ください。脱調してしまう負荷でも、トルクアップ機能を使用すると回転できるようになります。
動作仕様
動画は、下記の仕様で動作しています。
ステッピングモーター | PJP42T34 バイポーラ 定格電流1.2A |
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ドライバー励磁方式 | 2-2相励磁(200パルス/1回転) |
回転速度 | 3回転/秒(600[PPS]) |
自起動速度 | 150[PPS] |
加減速時間 | 100[ms] |
回転数 | 10回転(2000パルス) 正/逆転 繰り返し |
タイマー | 動作間に1秒 |
トルクアップ機能 | 動作開始1秒間、1.5倍の励磁電流 |
下記のグラフは、動作パターンとトルクの関係を表します。
4. 制御ソフトウェア
動作パターン、実行順序プログラムの作成は、専用の制御ソフトウェアが用意されています。パソコンとUSBケーブルを接続して行います。制御ソフトウェアは、手動操作、プログラムの動作確認、本体のメモリへ書込み、保存することもできます。
① 動作パターンの作成
動作パターンは、下記の画面で編集します。移動量、速度パラメータ、動作モードを設定します。動作モードは、位置決め動作、原点復帰動作、タイマー動作等から選択します。最大32パターン登録できます。
② 実行順序プログラムの作成
実行順序プログラムは、下記の画面で編集します。動作パターン番号指定、時間待ち、励磁オン/オフ、変数演算、変数を使用した条件ジャンプ等のコマンドを実行順に記述します。最大256ステップのコマンドをプログラムすることができます。
また、この画面では、動作の確認を行うことができます。連続実行、ステップ実行、一時停止、ブレイク機能を利用して、実行順序プログラムのデバックが行えます。