位置制御モードにおける位置移動方式

EC-ADシリーズの動作モードには位置制御モード(Profile position mode)と原点復帰モード(Homing mode)があります。
今回は"位置制御モードにおける位置移動方式"について紹介します。

位置制御モード(Profile position mode)は簡単に言えば、目標位置(607Ah: Target Position)を入力し、
コントロールワード(6040h:Control Word)の操作でその位置へ移動するモードです。一般的にPoint to Point 動作を示します。

以下の3種類の移動方式があります。

1. 一般移動方式

目標位置を設定し、その目標位置への動作を実行する移動方式です。

目標位置はTarget position(607Ah)に設定し、座標モード(絶対位置/相対位置)はControl Word(6040h)のRelative(Bit 6)で設定します。
目標位置に到達するとStatus Word(6041h)のTarget Reached(Bit 10)が1になります。


以下は、実際EC-ADデモ機(EC-AD1242A1)を利用し、この移動方式を再現したグラフです。

2. 次動作継続移動方式(バッファあり動作)

目標位置へ移動中に次の目標位置へ移動する命令を行うことで、移動完了後の遅延時間無しで次の目標位置への動作を実行する移動方式です。
継続する位置移動データが設定された状態で、更なる位置移動データは受け付けません。


以下は、実際EC-ADデモ機(EC-AD1242A1)を利用し、この移動方式を再現したグラフです。



3. 目標位置修正移動方式(オーバーライド、バッファなし動作)

初めに設定した目標位置へ移動中に目標位置を変更し、Control Word(6040h)の操作で変更目標位置への動作を実行する移動方式です。

[1] 新しい目標位置が変更前の目標位置を通過後にあれば、変更前の目標位置で停止することなく新しい目標位置へ移動します。
[2] 新しい目標位置が既に通過した位置の場合、逆方向に移動します。逆方向への切り替えは、『減速→停止→逆方向へ加速』の動作になります。


以下は、実際EC-ADデモ機(EC-AD1242A1)を利用し、この移動方式を再現したグラフです。上記「1」の移動方式。


なお、上記は絶対位置移動を例にしましたが、相対位置、絶対位置移動の組み合わせや、S字/直線加減速などもコントロールワード操作により設定可能です。
詳しくは該当製品の取扱説明書を参考にしてください。

EC-ADシリーズ

ステッピングモータドライバ搭載の弊社EC-ADシリーズは、実績のある弊社製パルスコントロールLSI PCLシリーズを搭載。
PPモードをDC同期, 短いサイクル時間(250us)で利用でき、補間やCSP制御を必要としないEtherCAT多軸制御アプリケーションにおすすめの製品です。

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