ステッピングモーターの温度上昇について

初めてステッピングモーターを使用されたお客様から、「ステッピングモーターを動かしていると触れないくらい熱くなりますが、大丈夫ですか?」とご質問を頂く事があります。

日本パルスモーターではモーターケースの温度が100℃(リニアステップは80℃)で連続運転出来る駆動条件を、標準製品の定格と定めています。
これはコイルの絶縁区分E種120℃から算出したもので、内部コイル温度が120℃になる時、モーターケースの温度は約100℃になります。

100℃や80℃というと、触ると火傷してしまうくらいの発熱ですが、モーターとしては問題ありません。
また、ケースが100℃を超えない条件であれば、間欠駆動などで一時的に定格を超えて使用することも可能です。

温度上昇とモーター寿命の関係

ステッピングモーターの寿命の定義って何でしょう?

ステッピングモーター自体(ギヤのついていないもの)はモーターシャフト両端の軸受のみでしか摺動する部分がないので、長期で使用していると軸受が摩擦で削れてクリアランスが大きくなり、トルクが低下していき、最後には停止してしまいます。

この時点をモーターの寿命と判断される場合が多いです。

軸受にはオイルが含侵されているのですが、このオイルが少なくなってくると急速に摩耗が進行してしまいます。

では、軸受のオイルの量に影響を与える一番の要因はというと、モーター温度になります。

同じ駆動条件で使用していても、温度が高い状態で使われている方がより、摩耗が進みやすくなります。
これは、高温によってオイルの粘度が下がって流出しやすくなる、また揮発してしまうためです。